マルッチバットの注目度の高さは日本国内だけでなく韓国や台湾にまで波及している。
韓国や台湾などのスポーツ用品代理店などからも連絡が入り、価格交渉をしてくる。「まだ有名なブランドではないのだから安くできないのか?」という内容がほとんどだ。確かに言いたい事はよくわかる。よくわかるのだが、難しい。
サムバットやX BATなどを引き合いに出して価格交渉をしてくる。これらバットの価格があまりに高かったために失敗したというような内容も見られる。確かにその通りである。もちろんマルッチとの交渉においても同じような内容を持ち出した。知名度が無いのだから価格を安くしろ、サムバットのような失敗をしたいのか?と。
思い切り安くできない理由もよくわかる。なにしろ完全手作業で、しかも他のバットにはない手間がかかっているのだから。
アイスポーツに入ってくる時点で安くできないのだから、諸外国に安く販売できるはずも無い。
台湾や韓国でもメジャーリーグの放送は行われている。それだけにマルッチを目にする機会も多いだろう。韓国や台湾の場合、日本以上にメジャーリーグに触れる機会が多い。日本の場合、どうしても日本人メジャーリーガー中心の放送となるが韓国や台湾では自国選手以外のチームもどんどん放送する。だからアジア地域の出張に出たときの方がメジャーリーグの試合を見る事ができたりする。
韓国人メジャーリーガーは多いし、台湾人メジャーリーガーも多い。ヤンキースの王投手などは台湾のヒーローでもある。
さらにこれらの国の事情も日本とは異なる。日本の場合、国内ブランドが大多数を占めるプロ球界だが、台湾や韓国のプロ野球ではさまざまなブランドが使われている。これもシステムの違いである。
日本以外の国々ではバットは球団が支払う事が多い。少し前までの日本でも球団がバット代金を払っていた。
ところが選手を「広告塔」にすることで日本では99%の選手がバットを無償でもらっている。海外ブランドは選手に無償で渡すなどという概念が最初からない。だから日本では海外ブランドのバットが育ちにくい環境となっている。
韓国、台湾のプロ球界でもバット代は球団が支払う。選手は好きなバットを自由に使う事ができる。ゆえにマルッチなどの新しいブランドに対しても興味を持つ。
球団が支払うバット代は決められている。たとえばある球団はバット1本1万円ということになっている。もちろん現地の通貨が使われるわけだが。
そうなると業者は安く仕入れられればそれだけ利益が大きくなる。5000円で仕入れれば5000円の利益になるし、9000円で仕入れたら1000円の利益でしかない、1万2000円で仕入れたらマイナス2000円となってしまう。
球団はどんなバットに対しても決められた金額しか支払わない。原価がいくらであろうなど関係がないのだ。業者とすれば安ければ安いほどいいという仕組みになっている。
このシステムがいいのか悪いのかわからないが、少なくとも選手には良いシステムだろう。やはりバット代金というのは非常に負担が大きく、しかしバット代のことを考えていたら打てやしない。それを球団は給料とは別に負担している。給料の安い選手などにとっては何よりだろう。
日本でも給料の安い選手にとっては無償提供というものはありがたいはずだ。ところがこれもなかなかうまいようにはいかず、給料の安い選手には悪いバットしか回ってこない。一流選手になれば最高級のバットがまわってくる。
私は一流選手であれば給料ももらっているのだから、バット代はどんどん支払うべきであると思っている。給料の少ない選手にこそ無償でサポートするべきではないだろうか?
もちろん、それではメーカーの思惑とは異なってくる。一流選手でなければテレビに出てこないのだから、一流選手には無償で最高のバットを使わせる。
なんだかとりとめもなくなってきたので今回はここまで。
アイスポーツ