これまで「バットは素材がすべて」という発言をしてきた。そのことに変わりはない。しかし、さらにその上を行く方法がある。それは牛骨でバットを締め上げる方法だ。
かつてはプロ野球選手であれば誰もが行っていたそうで、各自が牛骨を持ち歩きベンチ裏は牛肉の匂いが漂っていたそうだ。ところが現在は誰一人としてこの方法はとっていないようだ。それはなぜだろうか?
牛骨によるバットの締め上げは次のように行う。バットを固定し全体重をかけて牛骨をバットにこすりつける。これでバットの目が詰まるのだが、芯の部分などは直径にして約0.5ミリほど短くなる。
ところがこの方法を行うとバットの表面が傷だらけになる。新品のバットなどでやったらあっという間に傷だらけだ。多分、これを嫌ったのだろ。
傷がついても構わない、というのであれば一度この方法でバットを締め上げてもらいたい。
マルッチバットの場合、バットを削り塗装する前にこの牛骨による締め上げを行う。もちろん人間の手で行うが、これが重労働である。全体重をかけ、数十分この作業を続けると体中から汗が吹き出てくる。マルッチ以外ではこの方法を行うメーカーは聞いた事がない。削って塗装して「はい、おしまい」ではないのだ。その分だけ価格も高くなっているのだが対象がメジャーリーガーだから関係ないのか……。
バットは素材が一番重要である事に変わりはないのだが、さらなる味付けをしている分だけ反発力が上がっている。それもこれも数量限定ですべてを社長の手で行っているからできることだ。大量生産メーカーには絶対にまねのできないバットだろう。
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