いまでこそ誰もやっていませんが、少し前までごく一般的に広く行われていたバットのメンテナンス方法、それが牛骨を使ってバットの目を詰めるという方法です。
ブームの火付け役は長嶋さんだったという説も残っています。長嶋さんは試合前に必ずベンチ裏で牛骨を使ってバットを磨いていたそうです。
ある日、対戦相手で長嶋さんより年上の選手から「バットを1本もらえないか」と言われ、そのバットを差し出したそうです。
その試合で、その先輩選手はホームランを放ち、チームメートに「シゲはこんなに飛ぶバットを使っているぞ。これじゃ相手にならん」と話したとか。
結局それは牛骨による効果だと分かり、一気に12球団に広まっていき、ベンチ裏はどこもみな牛臭かったとか。
結局、それが圧縮バットを生み出したのです。そして圧縮バット全盛時代の間に忘れ去られてしまったというのが事実のようです。
今でももちろん十分な効果があります。できればみなさんもやった方がいいのですが、一つだけ欠点があります。それはバットの表面が傷だらけになってしまうのです。
相当古いバットならまだしも、新しいバットをいきなり傷物にしてしまうのも気が引けます。ですからやればいいことは分かっていても、なかなかできないですよね。
マルッチバットの場合、バットを作る途中に牛骨によるしごきがあります。塗装前なら傷がつかないのです。もちろん厳密な意味では傷がつきますが、バットとして仕上がった時は傷がありません。
バットの傷はバット表面に塗られたニスや塗料などコーティング材が傷つくだけなのです。ですからコーティングする前なら傷がついていても大丈夫なのです。
この牛骨によるしごきを行っているのは世界広しといえどもマルッチだけです。別に特許を持っている訳でもなんでもありません。他のメーカーがやらないだけなのです。
なぜやらないのでしょう? それは手間がかかるからです。私も実験したことがあるのですが、しっかりと力を入れてバットをしごくと20分くらいかかります。こんなことをやっていては1日の生産量など限られてしまいます。ですからどこもやらないのです。
この効果は絶大です。だからこそメジャーリーグでも打撃成績の上位を独占する事ができるのだと思います。
「国産バットの倍の値段でもお釣りが来る」、私はそう確信しています。