
最近、ダイレクトプロテクトに関して次のような御質問が圧倒的に増えてきています。「ダイレクトプロテクトはどちらの手にするものですか?」。これを理論的にご説明したいと思います。
そのためにはバットの正しい握り方からご説明しなければなりませんね。右打者を例として説明していきます。
左手ですが、左手の意味は「スイングの軸」です。これは絶対に忘れないで下さい。ドアで言えば「蝶番(ちょうつがい)」です。
左手はバットコントロールをしません。極端に言えばバットを握っているだけの補助としての役割です。昔の人(昔の古い考え方ですよ!)は「左手がバットをリードし、左手でスイングする」などと言いますが、今のプロでそんなことを言う人は一人も居ません。「左手でリードする」なんていう考え方は「気合だ!根性だ!軍隊だ!」というレベルの人ですからね。
左手は単なる軸ですからしっかり握ってください。コントロールできない方がいいくらいです。手の腹を中心に握ってください。ですからダイレクトプロテクトは使えません。使いません。使ったら不便です。
さて、今度は右手です。小さな子供が初めてプラスチックのバットを持ったとき、あるいは野球経験のない奥様や彼女にバットを持たせて構えさせてください。ここに重大なヒントが隠されています。
きっと右手と左手を離して握ります。じつはこれが正しいのです。それではスイングさせましょう! じっくりと見てください。左手を軸にして右手で振ります。ボールをゆっくりトスしてあげると見事に左手を軸にし、右手で当てにいきます。
バットのヘッドを返すには左手を軸にして右手でヘッドを返します。わかりますよね? これを右手と左手をくっつけるから難しくなるのです。
しかし考え方は同じです。左手を軸にして右手でコントロールし、右手でヘッドを返します。ここまではいいですか? 反論があればメールでお願いしますね。
右手の重要性を理解していただけたと思いますので次に進みます。右手がバットをコントロールし、ヘッドを返す、つまりバッティングを左右するのは右手です。だからこそ右手の握り方が重要になってきます。
ゴルフをやったことのある皆さん、一番最初に何を教わりますか? ほとんどの方はクラブの握り方だと思います。テニスにしても剣道にしても棒状の道具を使うスポーツは一番最初に握り方を教わります。
ところが野球の場合、最後まで握り方を教わらない場合があります。なんと恐ろしいことでしょう!
それでは正しい右手の握り方です。右手の指の第二関節がバットを握る軸です。ここにバットを乗せて、手を閉じていきます。最後に親指を閉じるのですが、親指の先端は人差し指や中指と重ならないようにします。これがすごく重要です。プロ選手とアマチュア選手の最大の違いはここにあると言ってもいいでしょう。
みなさん、本屋さんへ行って野球関連の雑誌か何かを探してください。そしてイチロー選手や松井選手などのグリップを見てください。プロ選手なら誰でもいいですからグリップを見てください。全員、親指は逃げています。人差し指や中指と重なっていません。これがプロになるための基礎の基礎。ここから全てが始まります。
簡単な実験はいくつかあります。ひとつの方法は包丁を握ってみる。第二間接を軸にして握ってみてください。次に手の腹を軸に握ってみてください。どちらが簡単にしかも正確に包丁を握れますか?
もうひとつ、こんどはかなづちで釘を打ってみてください。何も考えずにかなづちを握ると、自然に正しい握り方になっているはずです。そして打ち比べればすぐに正しい握り方の意味がわかります。
指の第二関節を中心に握り、親指を逃げさせるのは結構難しいのですが、ダイレクトプロテクトを装着すればそれが簡単にできるのです。
そのような理由からダイレクトプロテクトは右手に装着するのです。
もうひとつの理由、それは打撃時の手の痺れを防ぐことですが、これも経験者ならわかるように右手です。そして怪我をするのも右手です。ゆえにダイレクトプロテクトを装着するのは右手になります。
どんなことでも、まず考えてみましょう。(「考えて見ましょう」と書く人もいますが、これは間違いです。なぜなのか? 考えてみましょう。「考えてみる」とは「考え」て「見る」ことなのでしょうか? 違いますよね。「考えましょう」とも言い換えられるわけですから、ここに「見る」の意味はどこにもありません。)考える能力こそ知識や技術向上の鍵です。聞く前に考えてみる。これがとても重要なことですよ!